20年以上麻雀を打っている私でも、二盃口(リャンペーコー)で和了できた回数は数えるほどしかありません。狙って作る役というより、手なりで進めていたら「気づけば形になっていた」というタイプの、それくらい珍しい役です。また、もともと七対子が好きな私にとって、二盃口は美しく大好きな役です。3翻役の中で唯一、門前でしか成立しない役です。出現率はおよそ0.04%とされ、国士無双ほどではないものの、かなり目にしにくいレア役です。今回はそんな二盃口について記事にしました。七対子との分かれ道は、麻雀をやる中で経験することもあるでしょうからぜひ読んでいただければと思います。
成立条件と注意点
二盃口が成立するには、次の条件をすべて満たす必要があります。
- 同じ並びの順子を2組ずつ、2セットそろえる(計4面子+雀頭)
- 門前であること(ポン・チー・明槓を一度でもすると不成立)
- 和了は門前なのでツモ・ロンのどちらでもよい(ロンは鳴きに含まれないので成立する。暗槓も門前を保つのでOK)
注意したいのは、一盃口とは複合しないという点です。二盃口が成立すると、その中に一盃口は含まれていますが、別途で一盃口の役は付きません。あくまで「二盃口(3翻)」という一つの役として扱います。雀頭は数牌でも字牌でもかまいません。
七対子との見分け方
二盃口の和了形は、同じ牌が2枚ずつ7組そろった「七対子と同じ牌姿」に見えることがほとんどです。
たとえば「二二三三四四萬 六六七七八八筒 五五索」という手を考えてみます。
- 対子が7組と見れば → 七対子(2翻)
- 二三四萬の順子2組・六七八筒の順子2組+五五索の雀頭と見れば → 二盃口(3翻)
同じ14枚が、両方の役に解釈できてしまうわけです。このとき効くのが高点法(こうてんほう)です。複数の解釈ができる手は、点数が高くなる方を採用するというルールで、七対子(2翻)と二盃口(3翻)なら二盃口が選ばれます。
なお、二盃口になる手は構造としては順子手(4面子1雀頭)です。対子を7組集める七対子とは、見た目が似ていても和了の形そのものが別物です。七対子の単騎待ちや河の読み方そのものは、別記事の七対子・待ち編で詳しく解説しています。
高点法でどれだけ変わるか
点数の差を具体的に見ておきましょう。
- 七対子のみ:25符2翻(子1,600/親2,400)
- 二盃口のみ:最低でも40符3翻(子5,200/親7,700)
いちばん安い二盃口でも、いちばん安い七対子の3倍以上です。しかも、符と翻の組み合わせのうえで、二盃口が七対子を下回ることはありません。つまり「両方に取れる手は、必ず二盃口で計算したほうが高い」と覚えてしまって大丈夫です。
待ちと複合
二盃口は順子を4組持つ手なので、両面待ちが生まれやすく、ピンフと好相性です。雀頭が役牌でなく、待ちが両面であれば、二盃口(3翻)+ピンフ(1翻)で4翻になります。ただし、雀頭の単騎待ちで和了するとピンフは付かないので、待ちの形には注意してください。ピンフの条件は別記事のピンフ編で確認できます。
使う牌が2〜8だけならタンヤオも乗ります。二盃口+タンヤオで4翻、ピンフも乗れば5翻、ここにリーチやツモ、ドラが加われば満貫クラスまで届きます。タンヤオの作り方も合わせて押さえておくと狙い方が見えてきます。混一色・清一色とも複合でき、清一色二盃口まで行けば倍満級の大物手です。
その究極形が、筒子の2〜8を対子で並べた「大車輪(ダイシャリン)」です。清一色・タンヤオ・ピンフ・二盃口が同時に成立する美しい手で、これを役満とするローカルルールもあります。採用していない卓も多いので事前確認が必要ですが、役満としなくても三倍満が確定する大物手です。
実戦で気をつけたいのがフリテンです。二盃口にこだわるあまり、両面で和了牌になる牌を「使わないから」と切ってしまうと、自分の待ちを自分で踏んでフリテンになることがあります。狙っている形の待ち牌が今どこなのかは、常に意識しておきましょう。
実戦の分かれ道|七対子で取るか、一盃口で取るかあるいは二盃口を狙うか
二盃口が中級者の腕の見せどころになるのは、まさにこういう手のときです。
「二二三三四四萬 六六七八筒 四四索 北北」
対子が六つもあり、いかにも七対子に見える手ですが、進め方は三つあります。
七対子に決める(七八筒切り)
七八筒のどちらかを切れば、六六筒・四四索・北北を対子のまま使い、二二三三四四萬も三つの対子と見て、すでに七対子のテンパイです(七筒または八筒の単騎待ち)。北北を含むのでタンヤオは付かず役は2翻、待ちは単騎。速さも翻数も尖らない、バランス型の取り方です。
六筒切りで一盃口に取る
六筒を切って六七八筒の順子を作れば、四索と北のシャンポンで一盃口の即テンパイになります。待ちが広めで和了は三択でいちばん速い反面、役は一盃口の1翻と軽め。とにかく早く確実にアガリたいときの割り切りの選択です。
二盃口を狙う(北北の対子落とし)
本命の二盃口を狙うなら、二二三三四四萬を二三四萬・二三四萬の一盃口(順子)と見て、雀頭は一つでよいので、四四索か北北のどちらかを対子落とししていきます。落とすべきは北北です。北は自風でないかぎりオタ風で、暗刻にしても役にならないうえ、残すとタンヤオが崩れてしまいます。四四索を雀頭に残し、六六七八筒はそのまま残してもう一組の六七八筒を引きにいきます。二手ほど遠いので和了は最も遅いものの、そろえば二盃口・タンヤオ・ピンフが重なり、翻数は三択でいちばん多い大物手になります。
どれを選ぶか
三つの違いは「速さ」と「翻数」のバランスで整理できます。
- 六筒切り(一盃口):速さは最速、翻数は少なめ
- 七八筒切り(七対子):速さも翻数も中くらい
- 北北の対子落とし(二盃口):速さは最も遅いが、翻数は最も多い
二盃口への組み替えは、テンパイを一度手放す覚悟が要ります。七対子はすでにテンパイ、二盃口はそこから二手ほど遠い形です。
もう一つ判断を左右するのが、いまの手がどれくらいの打点になりそうかです。七対子と二盃口の差がはっきり出るのは、満貫に届かない打点帯のとき。ドラが乗って満貫以上が見えているなら、どちらで和了っても点数は大きく変わらないので、速い七対子のテンパイで確実に取り切るほうが得です。逆にドラがなく、七対子だと安く終わりそうなときこそ、タンヤオ・ピンフが確定で付く二盃口に組み替える価値が上がります。
そのうえで、序盤で手牌に余裕があり受けも良いなら、北北を落として二盃口(最低でも一盃口+タンヤオ+ピンフ)の高打点を狙う。逆に終盤に近い、早く点が欲しい、待ちが悪くなりそう——そんなときは欲張らず、七対子のテンパイを取ってリーチで勝負します。
順子手に寄せておけば、二盃口が間に合わなくても一盃口・タンヤオ・ピンフでまとまるので、打点の下支えがある点も覚えておくと判断が楽になります。手をどう組み立てるか迷ったときは、七対子を狙うか別の手かを整理した選択編も参考になります。
まとめ
二盃口は、一盃口を2つ重ねた門前3翻の希少役です。七対子と同じ牌姿に見えますが、高点法によって必ず二盃口が優先されるため、その形に気づけることがまず中級者の第一歩。そのうえで、連続した対子がそろった手では、速い七対子で取るか、対子落としで二盃口の高打点を狙うか——速さと翻数、そして場の状況を見て打ち分けられるかが、腕の差になります。狙って作る役ではありませんが、芽が見えたら逃さず、その場の最善の一手を選んでいきましょう。
役を覚える近道は、やはり実戦で数をこなすことです。
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