麻雀を覚えたての頃、私は役を丸暗記したのと同じ要領で、符も「この形は何符」と一覧表ごと丸暗記しようとして、見事に挫折しかけました。表を眺めても数字がまったく頭に残らず、しばらくは符計算そのものを敬遠していたほどです。ただ、あとから気づいたのですが、符は役のような暗記科目ではありません。スタートの符に手の形のぶんを足し算して、最後に切り上げる。やることはこれだけの「手順」です。この記事では、符計算のやり方を3つのステップに分けて、実例つきでやさしく解説します。読み終わる頃には、よく出る30符・40符の手なら自分で数えられるようになるはずです。
符計算とは?|点数を決める「もう1つの数字」
麻雀の点数は、翻(ハン)と符(フ)の組み合わせで決まります。翻がアガリの「価値」を表すのに対して、符はアガリ方と手の形の「細かさ」を表す数字です。同じ1翻でも、30符なら子のロンで1,000点、40符なら1,300点。この差を生んでいるのが符です。
点数計算の全体像(翻の数え方や満貫以上の点数)は点数計算入門で解説しているので、この記事では符の数え方だけに絞って掘り下げます。なお、符が点数に影響するのは4翻以下のアガリだけです。5翻以上は満貫からの固定点数になるため、符を数える必要はありません。
符計算の3ステップ|基本符に足して切り上げるだけ
符計算の手順は、次の3つだけです。
- スタートの符(基本符)を決める:ロンかツモか、門前(メンゼン・ポンやチーなどの鳴きをしていない状態)か鳴いているかで決まる
- 手の形の符を足す:符が付くのは面子(メンツ)・雀頭(ジャントウ)・待ちの3か所だけ
- 合計を10符単位に切り上げる:一の位を切り上げて完成(例:32符→40符)
たとえば「門前ロンで30符スタート、暗刻で+4符、合計34符→切り上げて40符」という流れです。順番に見ていきましょう。
基本符|ロンは30符・ツモは22符から始まる理由
スタートの符は、アガリ方で決まります。
- 門前のロンアガリ:30符
- ツモアガリ:22符(門前でも鳴いていても同じ)
内訳を知っておくと仕組みが見えます。どのアガリにも共通の土台として20符(これを「副底(フーテイ)」と呼びます)があり、そこに門前でロンした場合は+10符、ツモアガリの場合はツモ符+2符が付きます。20+10=30符、20+2=22符というわけです。
鳴いた手のロンは20符スタート
ポンやチーをした手でロンアガリした場合、門前の+10符が付かないため、土台の20符だけからスタートします。同じロンでも、門前かどうかで最初から10符の差があるわけです。
なお、ツモ符の2符は鳴いていても付くため、ツモアガリは門前・鳴きに関係なく22符のままです(+10符はロンのときだけの加符です)。
なお、鳴いた手で形の符がまったく付かないと、計算上は20符のロンになってしまいます。この場合は30符として扱うルールが一般的です(順子だけの鳴いた手が両面待ちでロンした形で、「食い平和(クイピンフ)形」と呼ばれます)。
形につく符|面子・雀頭・待ちの数え方
スタートの符が決まったら、手の形のぶんを足していきます。符が付くのは面子・雀頭・待ちの3か所だけです。
まず面子。大前提として、順子(シュンツ・123のような並び)は何符も付きません。符が付くのは刻子(コーツ・同じ牌3枚)と槓子(カンツ・同じ牌4枚)だけで、「鳴いたか自分で揃えたか」「中張牌(チュンチャンパイ・2〜8の数牌)か么九牌(ヤオチューハイ・1・9・字牌)か」で次のように変わります。
| 面子の種類 | 中張牌(2〜8) | 么九牌(1・9・字牌) |
|---|---|---|
| 明刻(ポン) | 2符 | 4符 |
| 暗刻(自分で揃えた刻子) | 4符 | 8符 |
| 明槓 | 8符 | 16符 |
| 暗槓 | 16符 | 32符 |
「鳴くより自分で揃えた方が2倍」「1・9・字牌は2〜8の2倍」「カンはさらに大きい」と覚えるとスッキリします。カンの種類についてはカンの解説を参考にしてください。
次に雀頭。役牌(三元牌・場風・自風)が雀頭なら2符、それ以外の牌なら0符です。自風と場風が重なった字牌(東場の東家の東など)を4符と数えるルールもあります。
最後に待ちの形です。
| 待ちの種類 | 符 |
|---|---|
| 両面待ち・シャンポン待ち | 0符 |
| カンチャン・ペンチャン・単騎待ち | 2符 |
カンチャンは三と五で間の四を待つ形、ペンチャンは一と二で端の三を待つ形、単騎は雀頭になる牌を待つ形です。「広い待ちは0符、狭い待ちは2符」と覚えれば十分です。
例外は2つだけ|ピンフツモは20符・七対子は25符
ここまでの足し算には、覚えておきたい例外が2つあります。
1つ目はピンフのツモアガリ=20符固定です。ピンフは「符の付かない形」で成立する役なので、ツモ符の2符も付けず、土台の20符のままと決められています(ピンフのロンアガリは通常どおり30符です)。
2つ目は七対子=25符固定です。七対子は面子のない特殊な形のため、アガリ方や待ちに関係なく一律25符と決まっています。25符は例外的に切り上げも行いません。
この2つ以外は、すべて3ステップの足し算で計算できます。
実例で計算してみよう|3つの手で練習
実際の手で3ステップを試してみましょう。
例1:門前ロン・暗刻ありの手
一二三萬・六七八萬・三四筒・七七七索・五五索とテンパイし、リーチをかけて五筒をロンした形です(二筒・五筒の両面待ち)。
- ステップ1:門前ロンなので30符スタート
- ステップ2:七索の暗刻(中張牌)で+4符。順子3つ・数牌の雀頭・両面待ちはすべて0符
- ステップ3:合計34符→切り上げて40符
役はリーチのみの1翻(一発や裏ドラは付かなかったとします)なので、40符1翻=子のロンで1,300点です。
例2:ツモアガリ・役牌の雀頭の手
三四五萬・六七八萬・四六筒・三四五索・白白の形から、四六筒の間の五筒をツモった手です(カンチャン待ち)。
- ステップ1:ツモアガリなので22符スタート
- ステップ2:白の雀頭で+2符、カンチャン待ちで+2符。順子4つは0符
- ステップ3:合計26符→切り上げて30符
役はメンゼンツモのみの1翻なので、30符1翻=子のツモで子から300点・親から500点です。
例3:ポンした手のロン
五筒をポンして、二三四萬・六七八索・四五筒・七七萬と進め、六筒をロンした形です(三筒・六筒の両面待ち)。
- ステップ1:鳴いた手のロンなので20符スタート
- ステップ2:五筒の明刻(中張牌)で+2符。順子2つ・数牌の雀頭・両面待ちは0符
- ステップ3:合計22符→切り上げて30符
役はタンヤオのみの1翻なので、30符1翻=子のロンで1,000点です。門前なら例1のように30符スタートですが、鳴くと20符からになるぶん、点数も安くなりやすいのが分かります。
30符・40符だけ覚えれば十分|ミニ早見表と実戦のコツ
符が数えられたら、あとは翻数と組み合わせて点数を出します。実戦のアガリの大半は30符か40符に収まるので、まずはこの2列だけ覚えれば十分です。
| 翻数 | 30符(子のロン) | 40符(子のロン) |
|---|---|---|
| 1翻 | 1,000点 | 1,300点 |
| 2翻 | 2,000点 | 2,600点 |
| 3翻 | 3,900点 | 5,200点 |
| 4翻 | 7,700点 | 8,000点(満貫) |
(40符4翻は計算すると満貫の点数に届くため、8,000点の満貫扱いになります)
親のロンはこの約1.5倍(30符なら1,500点・2,900点・5,800点・11,600点)です。ツモの場合は例2のように親と子から分けて受け取ります(30符1翻なら子から300点・親から500点)。30符4翻の7,700点を切り上げて満貫の8,000点にするルール(切り上げ満貫)を採用している場も多くあります。5翻以上は符に関係なく満貫からの固定点数になるので、点数計算入門の早見表を参考にしてください。
▼ 参考:点数の計算式(見たい人だけ)
点数は「基本点=符×2の(翻数+2)乗」から計算されています。子のロンは基本点×4、親のロンは基本点×6で、100点未満は切り上げ。たとえば40符1翻なら、40×8=基本点320点、×4=1,280点→切り上げて1,300点です。基本点が2,000点を超えると満貫扱いになります。仕組みを知りたい人向けの参考で、実戦は早見表の暗記で十分です。
慣れるまでは、すべての点数を覚える必要はありません。まずは「30符の列」を縦に覚えて、40符は1,300点・2,600点だけ押さえる。あとはオンライン麻雀アプリが自動計算してくれるので、アガるたびに「いまのは何符だったか」を確認するのが一番の練習になります。
まとめ
符計算のポイントを整理します。
- 符は暗記科目ではなく、基本符+形の符+切り上げの3ステップで計算する手順
- スタートは門前ロン30符・ツモ22符・鳴いた手のロン20符
- 形の符が付くのは面子(刻子・槓子)・雀頭(役牌)・待ち(狭い形)の3か所だけ
- 例外はピンフツモの20符と七対子の25符の2つ
- 実戦は30符・40符の点数から覚えれば十分
私のように一覧表の丸暗記から入ると挫折しやすいですが、「足し算して切り上げる」という手順さえ身につけば、符は少しずつ手に馴染んでいきます。まずはアガるたびに1回、自分の手を数えてみてください。
麻雀のルールを覚える近道は、やはり実戦で数をこなすことです。
当サイトおすすめの初心者向けアプリはこちらのランキングから確認してみてください。実際に手を動かすのが、上達への一番の近道です。
この記事を読んだあなたにおすすめの一冊
📖 編集部おすすめ書籍
イラスト見るだけ!Mリーガー佐々木寿人の麻雀入門
イラスト+会話形式のストーリー仕立てで、知識ゼロから麻雀のルール・役・点数計算まで楽しく学べる入門書。Mリーグで人気の佐々木寿人プロが監修。読みながら自然と頭に入ってくると好評です。
Amazonで見る →※当記事はアフィリエイト広告を含みます。


コメント