【読み物】麻雀用語の語源・由来まとめ②|牌の名前(萬子・筒子・索子・白發中)

知識・マナー

麻雀を打っていると当たり前のように口にする萬子・筒子・索子、そして白・發・中。でも「どうしてこの名前なんだろう?」と立ち止まって考えた人は、意外と少なくないかもしれません。

私もその一人で、いろいろ調べてみると実は、麻雀牌の名前には「お金」と「縁起物」という、はっきりした背景があることを知りました。そこで、前回の麻雀用語の語源・由来まとめ①に続いて、今回は“牌そのものの名前”の由来を、肩の力を抜いて読める雑学としてまとめました。

数牌の正体は、ぜんぶ「お金」

麻雀の数牌(萬子・筒子・索子)は、もともと中国のお金=貨幣がモチーフになっていると言われています。

おもしろいのは、3種類がバラバラの意味ではなく、「硬貨 → 硬貨を束ねた縄 → 大きな金額の単位」というお金の大きさの段階を表していること。順番に見ていきましょう。

筒子(ピンズ)=穴あきの硬貨

筒子の丸い模様は、ひとつひとつが、中央に穴の開いた昔の中国の硬貨(銅銭)を表しています。丸が1つなら一筒、2つなら二筒……というように、描かれた硬貨の数がそのまま牌の数になっているわけです。穴の部分が筒状に見えることから「筒子」と呼ばれるようになった、とも言われています。

索子(ソーズ)=硬貨を束ねた縄

索子は竹のように見えますが、由来は硬貨を束ねる「縄(紐)」とされています。昔は穴あき硬貨を縄に通してまとめて持ち運んでおり、その“ひとまとめ”が索子の単位。「索」という字そのものに、縄・綱という意味があります。竹串が由来という説もありますが、筒子・萬子とのつながりで考えると、お金を束ねた縄と見るのが自然です。

萬子(マンズ)=金額の単位「萬」

萬子は、漢数字に「萬(万)」が付いた牌です。これはそのまま金額の単位で、一萬なら1万、九萬なら9万、というイメージ。硬貨1枚の筒子、それを束ねた索子、さらに大きな単位の萬子——と並べると、3種類がきれいに「お金の大きさの階段」になっているのがわかります。

一索だけ鳥なのはなぜ?

索子は本来「縄に通した硬貨」のはずなのに、一索(1の索子)だけは竹ではなく鳥(多くは孔雀)が描かれています。これには諸説あり、はっきりとは決まっていません。

めでたい伝説の鳥「鳳凰」を表しているという説や、「麻雀」の“雀”にちなんで雀を描いたという説などが知られています。地域や時代によっては、鶴・魚・タケノコが描かれた牌もあったそうで、もともとデザインの自由度が高い牌だったようです。打っているときに一索を見かけたら、ちょっと由来を思い出してみると面白いかもしれません。

字牌の名前の由来

字牌は「風牌(東南西北)」と「三元牌(白發中)」に分かれます。それぞれ背景が違います。

風牌(東南西北)=方角

東・南・西・北は、読んで字のごとく方角を表す牌です。読み方は「トン・ナン・シャー・ペー」と中国語読みで、日本語読みはしないのが一般的。麻雀の席順(東家・南家……)や場(東場・南場)とも結びついていて、ゲームの土台になっている牌です。

三元牌(白發中)=縁起物だが由来は諸説あり

白・發・中は「三元牌」と呼ばれ、中国語の正式名称はそれぞれ白板(パイパン)・緑發(リューファ)・紅中(ホンチュン)です。緑發は發財(ファーツァイ)とも呼ばれ、「財を成す」という意味を持ちます。三元牌は中国語ではまとめて「箭牌(チェンパイ)」、英語では Dragon と呼ばれます。前回触れたドラの語源(英語のDragon=三元牌)も、ここにつながっています。なお三元牌は、3枚そろえるといつでも役になる役牌でもあります。

肝心の「白發中が何を表すのか」は、実は麻雀の歴史研究でもはっきり決着がついていません。代表的な説をいくつか挙げると——

  • 投壺(とうこ)説:白=的、發=矢を放つこと、中=的中(命中)。投壺は壺に矢を投げ入れる古代中国の遊びで、「矢を放って的に中(あ)たる」というめでたい意味。
  • 財・成功説:白=物事を公平に行う、發=財を成す、中=物事に成功する。
  • 美女の三大要素説(日本で語られる俗説):白=白い肌、發=緑の黒髪、中=紅い唇。

どれも“なるほど”と思える反面、確定はしていません。「諸説ある」こと自体を楽しむのが、この手の雑学のいいところです。

まとめ

牌の名前をたどると、麻雀がもともと「お金」と「縁起」を映したゲームだったことが見えてきます。

  • 筒子=穴あきの硬貨/索子=硬貨を束ねた縄/萬子=金額の単位「萬」(数牌はぜんぶお金)
  • 一索の鳥は諸説あり(鳳凰・雀など)
  • 東南西北=方角/白發中=三元牌、由来は諸説あり
  • 三元牌は中国語で「箭牌」、英語で Dragon(ドラの語源)

由来を知っていると、いつもの牌が少し違って見えてくるはずです。次に卓を囲むとき、ちょっとした小ネタとして話してみても面白いかもしれません。

ほかの役もまとめてチェックしたい方は、麻雀の役一覧もあわせてご覧ください。

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